昨年12月から話題になっていた新型コロナウイルスの蔓延が止まらない。自分も12月段階では、また中国発の伝染病かと中国だけの出来事であり、日本には来ないだろうという軽く考えていた。しかし、2月24日現在で、中国では感染者4万5千人余、死者も2800人ほどになり、2003年のSARS以上の脅威となっている。ちなみにwikipediaで見たら、SARSでの死者は全世界で774人(感染者は8096人)に過ぎなかったらしいから、新型コロナウイルスのすごさがわかる。日本でも3人がなくなっている。
薬もない未知の伝染病に言い知れぬ不安を現代人でさえ感じるのだから、昔の人々はペストやコレラなどの病気にどんな恐怖を抱いたのか。毎日、身近な人が亡くなっていく状況の中、死を否が応でも意識していたはず。明日は我が身と。死は隣りあわせだと。
今の我々は死を身近なものとして考えなくてもいいようになった。医療の発展は見えない不安を見える希望へと変えてくれた。それは確かに素晴らしいことだ。死を遠いものとしておくことができるようになった。でも逆に言えば、死への準備・心構えができない状態に陥ったともいえる。突然、死の不安を突き付けられた時に右往左往するのが、今の我々だろう。昔は(大昔の話ではなく、ほんの50年位前の話)還暦過ぎれば、人生も先が見えて病気でもなれば死ぬものだと多くの人は覚悟していたと思う。でも今は何が何でも長生きしなければ損だと言わんばかりの考えが当たりまえだ。健康食品のCMの多さを見れば、一目瞭然。しかし、本当に死を考えないでいいのか、それが正しい生き方なのか考えなおすことを今回のコロナウイルスが突き付けているようだ。
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