10月12~13日に東日本を台風19号が豪雨をもたらし、茨城、福島、宮城を中心に大きな被害を出した。死者・不明者が80人を超える大惨事である。河川整備もされていたので洪水は起こらないと思われていた大河川(千曲川、那珂川、阿武隈川)も決壊した。全国で64河川が決壊したというから、いたるところといった感じである。
15年前(2004年)は新潟県にとっては自然災害の連続する年だった。7・13水害では信濃川の支流が決壊し、実家も1mほど浸水し、重たくなった畳を廃棄するのに難儀した。家の修復が終わった頃、10・23中越地震(震度7)が発生。家壁がまた崩落した。(さらに言えば、この年の冬は大雪でもあり、雪下ろしに追われた。)この年はつくづく自然を恨んだものである。それでも、2011年の東日本大震災の甚大さと東北の人々の苦しみから見れば、まだ甘いと言われるだろうが。
中越地震震源地に住む知人が以前、「地震は貧乏人と金持ちの差が出るが、水害は平等だ」と言っていた。自嘲的で切なくなるが、確かに一理あるようだ。お金をかけて耐震補強した家とそうでない家では確かに地震被害の差がでた。でも水害は場所が同じなら被害も同じだった。災害になると、住んでいる場所や建物の差(経済力の差)が如実に表れる。阪神淡路大震災の時もいわゆる下町地域と山手の高級住宅地の差は歴然だった。災害ぐらい平等であってほしいという、妬みなのか、近年人気の武蔵小杉のタワーマンションがこの台風のため、浸水したことにネットでは「ざまぁみろ」という書き込みもあったらしい。書き手は憂さ晴らしをしているのだろうが、その姿と心を想像すると余計悲しくなる。
台風の大型化は間違いなく、温暖化の影響だろうが、トランプのように、経済発展のためにはその事実すら認めない人もいる。取り返しがつかなくなる前に、我々ができることをしなければ、温暖化対策を訴えたスウェーデンの高校生(グレタ=トゥーンベリ)や若者に申し訳ない。何もできないが、被害にあわれた地方の復旧を祈るばかりである。
水没した信濃川河川敷の野球グラウンド(10/13朝、水はかなり引いた状態)
水が引いた後、流れ着いたごみ。土手の中ほどまで増水したことがわかる。
10/17夕方。ペットごみは回収され、木くずだけ残った。
ネット支柱の曲がりから、水圧がわかる。
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