キャッシュレス時代開始?

 明日から消費税が10%になる。春先から、政府は増税後の景気落ち込み防止のためと称して、キャッシュレス決済を国民に普及させようとしている。キャッシュレス決済をしないのは、時代遅れの消費者と言わんばかりである。キャッシュレス決済で、中国や韓国に遅れているのが恥ずかしいのか?

 しかし、国民の多くは高額な買い物はすでにクレジット決済しているし、都市部の住民は交通系カードなどで買い物や公共交通を使っている人が多いはずだ。確かに、スマホを使ったQR決済や〇〇ペイはまだ普及していないかもしれないが、使わないと時代遅れと言われるほどのものなのだろうか。

 キャッシュレス決済は現金払いと比べ、何よりも「お金が見えない」のだ。今の時代、警察の取り調べでも、仕事上の問題でも「見える化」することが提唱されている。数値などで可視化することで、誤りを無くそうとしているのに、経済は真逆ではないのか。財布に現金が無ければ、欲しいものがあってもとりあえず我慢する。最上品でなくても代用品でも使い方を工夫して、満足する。今までは、そういう消費行動が普通であり、日本人の慎ましさみたいなものがあったのではないか。アメリカ人のように、貯蓄せず、借金で購入することが当たり前に政府はさせたいのだろうか。国民に後先考えずに消費させ、数字上、経済成長している形をとりたいのか。国民に自分の置かれた経済の状況を「見せない」ためにお金の「見えない化」=キャッシュレスをあおっているように見えて仕方ない。

 自分のような年代にとって、借金してまで欲しい物品はさほどない。むしろ、何かをする、「こと」消費の年代だ。その場合でも、分相応=「入るを量りて出るを為す」を考えれば、己の財布を見るのが一番だ。お金が少ないなら、少ないなりに頭と体を使って楽しむ。それでいいのだと思う。

 究極のキャッシュレス経済は何だろうか。「現金を使わない」社会でなく、「貨幣を使わない」、物々交換やポトラッチのような贈与社会。すでに我々はキャッシュレス社会を経験していたのである。今更あわてる必要ない!、のかもしれない。

永遠の安らぎ

サイトのURL avyaya nirvana はサンスクリット語で「永遠の涅槃」  自分が老いていく中で、自分が見たもの、感じたものを通じて安らかな日々を得たいと思っています。

0コメント

  • 1000 / 1000