「いちご白書」をもう一度

 全米の大学でイスラエルのガザ侵攻に反対して学生の運動が拡大している。パレスチナ人虐殺と批判されているイスラエルの行動を支持しているバイデン政権とイスラエルと資金面でつながりの深い大学当局を非難している。当局は学生たちを反イスラエル=反ユダヤ主義者、あるいは過激派としてみなし、逮捕者はすでに1800人以上となっている。先日はコロンビア大学で逮捕される映像があった。それを見て既視感に襲われた。1968年コロンビア大学での事件から始まりヨーロッパ、そして日本にも広まった学生運動の姿だった。パリ五月革命、全共闘、フォークゲリラ・・・懐かしい言葉が浮かんできた。アメリカの学生運動の様子は映画「いちご白書」で知られた。あれから50年以上たって、あの映像と同じものを見るとは思わなかった。1968年の頃はヴェトナム反戦と公民権運動を掲げていたが、今は反イスラエル=パレスチナ連帯であり、相手が共和党政府だったのが、今は民主党政府であり黒人のニューヨーク市長であるのは皮肉である。

 アメリカは自由や民主主義を掲げた「理性的」な国家のように見えるが、実はきわめて宗教をベースとした国家である。移民者の建国過程からして政教一致国家と言ってよいほどである。トランプの岩盤支持層はキリスト原理主義と言ってよい福音派である。キリスト原理派はユダヤ教と当然親和性が高くイスラエルの行動を完全に支持しているから、このままいくと大統領選も宗教の選択選挙の様相になるかもしれない。そして「もしトラ」ならば・・・考えたくない状況だ。

 それにしても日本の学生は何の動きもないのだろうか。有っても報道されるほどのインパクトがないのだろうか。大学生活の最大の眼目が就活では目を向けようにもできないのだろうか。

永遠の安らぎ

サイトのURL avyaya nirvana はサンスクリット語で「永遠の涅槃」  自分が老いていく中で、自分が見たもの、感じたものを通じて安らかな日々を得たいと思っています。

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