ロシアのウクライナ侵攻は今日ついにキエフ市内にまで及んだようだ。大統領は逃げず留まると宣言。小島の守備隊が全滅したとの報道。60歳までの男子全員に徴兵令が発出。1991年湾岸戦争や2003年イラク戦争では攻撃側の映像が多く、つい戦争の悲惨さよりも結果に目が向いていた。しかし、今回は被害者側の映像が世界で流され、戦争の本当の姿を改めて知った人は多いだろう。
憲法前文の「・・・平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意し・・・」が空しい。戦争が始まるとヤフコメ(ヤフーニュースへのコメント)で、今回の事態を受けて武装化、核保持などの軍事力強化こそ必要で、憲法9条保持や憲法改正反対といった左派的主張は平和ボケもいい所である、という意見が圧倒的に多い。確かに、ロシア、中国、北朝鮮とも日本に隣接し、「独裁者」的政治家+核兵器保有という共通点があるのを見て、ウクライナの状況が明日の日本の姿に見えるのかもしれない。そのため、恐怖、義憤、焦燥から先のような意見が出るのだと思う。プーチンや習近平、金正恩に「公正や信義」を期待できるはずもないではないかという気持ちは十分わかる!
でも、その主張をする人たちも本当にそれをする覚悟があるのだろうか。例えば、軍備増強のため増税します、福祉は削減します、核開発のため各地に原発・核施設つくります、徴兵志願制します、人権・報道の制限もあり得ます、以上全部1年以内に実施できるように努めます、と政府が言い出したら、みんなすぐに受け入れることが今の国民にあるだろうか。
しかも、その主張者は中央に住む人たちが自分たちの安寧のために地方に犠牲を押し付け、勇ましいことだけ言っているのではと思ってしまう。真っ先に攻撃対象になるかもしれないが、北海道(対ロシア)、沖縄(対中国)、日本海側都市(対北朝鮮)に防衛基設備を置けということだ。核開発だって、他国とは何十年ものの差がある。一朝一夕でミサイルができるわけでないのだから、間に合わない話だ。(どこで核実験するのか?)
そうならば、たとえ理想だ、非現実的だといわれようと、互いに不可欠な存在にするしかない。信頼信用をつくっていくしかないのだろう。ヨーロッパが17世紀に作り出した外交(諸国家体系)の知恵とはそれだったはず。今しばらく「公正と信義」を信じたいのだが。
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