コロナ禍のためか、若者を中心にキャンプブームが起きている。キャンプ用にマイ山を買う人もいる。山や河原で焚火をし、飯をつくり酒を飲むのは確かに楽しいだろう。でも今のブームはキャンプ用品メーカーなどが仕掛けたもので、何かうさん臭い感じがある。こんな便利な道具があります、こんな非日常のご飯がつくれます、女子も簡単に楽しめます、といったいわゆる「映え」を意識したようなものが目に付く。今はこれが一番かっこいい趣味ですよ、と押し付けているように見える。屋外で火を焚き野宿するというのはもっと野性味溢れるものであると思うが。
今から50~40年くらい前、作家の椎名誠を隊長とし、焚火と大酒を楽しむ「怪しい探検隊」なる集団が活動していた。全国の田舎で、中年男たちがひたすら酒を飲み馬鹿をするだけなのだが、彼らのハチャメチャさは本やTV、映画にもなり面白かった。最新の道具がなくても火をつける、中華鍋一つで調理する、食材は現地調達。少年がそのまま中年になり同じことをしている感じであった。泥臭いが心底楽しんでいる様子がうらやましかった。
今は勝手に焚火もできないし、大声出すのも憚れる。でも、また仲間を募って年甲斐もなくやってみたくなる。気はあっても体がついてこないのが心配であるが。
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