どうしたアメリカ

 11月3日にアメリカ大統領選があった。当初の予想に反して、トランプが健闘し当初優勢に見えたが、郵便分の開票でバイデンが逆転し始めたら、「不正があった。民主党が票を盗んだ。」とトランプ支持者は猛反発。トランプ自身も未だ負けを認めていない。映像で見る限りトランプ支持者は熱狂的である。陰謀論を唱え、武装してトランプのためなら本当に内戦を起こしそうな雰囲気もある。とんでもないことばかりするトランプを応援する彼らを現実を見ない、おかしな連中と言うのはたやすいが、エリート層や金持ち連中に無視された白人庶民の怒りの側面もあるというから、そう単純ではない。現在世界どこにも見られる、国民の分断がアメリカは本当に深いのだと感じる。

 アメリカ的価値(自由、民主主義、科学技術、豊かさ)を昔は世界中が憧れた。でも今回の選挙を見て、あきれるというより、どうしたのだと心配になってくる。戦後世界が手本としたものが溶解しかかっているようだ。他者を認めず、自分が信じたいものだけを見る。他は知らない。まさにアメリカファーストである。それをまねて、どこの国も自国中心主義が起きている。今までなら、本音としてはあっても表面的には否定すべき醜いものとしていたそれを堂々と表ざたにしたのがトランプだ。そのことが最大のトランプの罪ではないだろうか。

 このような分断をつくったのがSNSと言われる。SNSを駆使してトランプは言いたい放題したが、ツイッター社やフェイスブック社がトランプの発言がウソがあるとして警告を発するとトランプ支持者は一切の検閲の無い(=どんな嘘もとんでもないことでも言いたい放題)のSNSサービスに移っているらしい。4大TVネットなどはフェイクだと言って見ないで、内輪のネット世界だけに情報を探している。既存のマスコミはエリート層の民主党寄りの存在だとみて本当に新聞もテレビも見ないらしい。情報操作というと中国のことが言われるが、中国のようにお上の検閲による情報一元化でなく、「自由な言論」を掲げて、そのくせ、他とやり取りするのでなく、同じ意見の人ばかりが集まって気勢を上げている状態なのだろう。いわば、たこつぼに入っているのだ。日本も似たところがあるだろうが。アメリカ国民の半数近い人がトランプ的世界に入ってい出てこない姿をみると、これからどうなるのか、本当に心配である。目を覚ましてくれ!アメリカの人よ。

永遠の安らぎ

サイトのURL avyaya nirvana はサンスクリット語で「永遠の涅槃」  自分が老いていく中で、自分が見たもの、感じたものを通じて安らかな日々を得たいと思っています。

0コメント

  • 1000 / 1000